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Skilling up for the future of marketing
Cath Everett
キャス・エヴェレット(Cath Everett)
著者
6分で読めます

マーケティングの未来に備えたスキルアップ

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2022年にマーケティング担当者になるには覚悟が必要です。 世界的な景気後退のおそれなど、マクロ経済への懸念から、予算やチーム規模が縮小されつつあります。 また、マーケティング環境はさらに複雑化しており、マーケティングでは、少ない労力で多くの成果を出さなければならないというプレッシャーが増しています。

一方で、こうした課題に対応するために活用できるデータは増えており、データを理解するためのテクノロジーも充実してきました。 こうしたリソースを使いこなし、状況の変化に対応するには、新しいスキルを身につける必要があります。 あらゆるレベルのマーケティング担当者が、改めて自己の能力の向上に目を向ける必要があるのです。

未来のマーケティングチームはコンテキストを意識する

データやテクノロジーツールが急増するにつれ、マーケティング担当者は、顧客に合わせた成果を出す必要に迫られています。 アクセンチュアのマネージングディレクターであるデビッド・ストイヤー氏は、顧客体験のパーソナライズに対する需要の高まりについて言及しています。この需要に対応するには、コンテキスト(顧客を取り巻く状況)に対する理解を深める必要があります。 コロナ禍やインフレが顧客に及ぼす影響など、長期的で大規模な国際問題だけでなく、より短期的で局地的な事象も理解しなければなりません。 

この点について、ストイヤー氏は、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の新シーズンの第1話を見て、ケイト・ブッシュの曲を聴いたときのことを例に挙げて説明しています。 「Running Up That Hill(神秘の丘)」という曲を何年ぶりかに聴いたストイヤー氏は、 Appleが2018年に買収した音楽検索システム「Shazam」を使って、自分のライブラリに保存したといいます。 

「これは、何かをほしいと思ったら、その欲求を自覚することもなくすぐに行動に移すということの典型的な例です。 状況の理解は重要ですが、その状況はすぐに変わってしまいます」 

この曲を再発見したのは、ストイヤー氏だけではありませんでした。 1985年にリリースされたこの曲は、全米ビルボードチャートHot 100で30位にとどまっていました。 それから約40年が経ち、「ストレンジャー・シングス」のおかげでShazamの世界ランキングで1位を獲得できたのです。 
 

オムニチャネルとマルチチャネルを使いこなすには

もう一つの大きな変化は、オムニチャネルマーケティングへの転換です。 オムニチャネルとは、メッセージングシステム、モバイルアプリ、ウェブサイトなどのデジタルチャネルと、実店舗などのオフラインの場を統合したものです。 こうした情報源から得られるリアルタイムのコンテキスト(顧客を取り巻く状況)を利用して、顧客体験を即時に修正できます。 

オムニチャネル戦略は、顧客のクリック履歴などのオンラインデータと、店舗やコールセンターとのインタラクションなどのオフラインデータを連携させた堅実な戦略です。 今のところ、こうしたテクノロジーを使いこなしているのは、先進的な企業だけです。 

マーケティング担当者は、マルチチャネルの属性に関する複雑性にも対処する必要があります。 ここで注目すべき点は、個別のチャネルの価値を評価することです。 ストイヤー氏は次のように問いかけます。「ある顧客が(オンラインで商品を調べ)3日後に店舗で購入した場合、事業部門やチャネルへの帰属をどのように数値化し、割り当てればいいのでしょうか」

新しい働き方に求められる新しいスキル

この問いかけに答えるには、組織の業務モデルを大きく転換する必要があります。 例としては、新しいテクノロジーや、協力体制を強化した部門横断的な働き方などが挙げられます。 アクセンチュアのコンサルティングディレクターであるピユシュ・ヴァキル氏は、マーケティング担当者は、こうした新しい業務用ツールやテクニックに対応するスキルを身につける必要があると指摘します。 

ヴァキル氏はこう説明します。「マーケティング担当者にはテクノロジーに関する知識が必要です。 アナリティクスやデータの知識も必要になります。 しかし、さらに重要なのは、(プロジェクトに取り組む際に)テクノロジーサービス、事業部門、チャネルを含む組織全体で連携する方法を理解する必要があるということです」

ヴァキル氏はこう説明します。「マーケティング担当者にはテクノロジーに関する知識が必要です。 分析やデータに関する知識が必要なのです。しかし、さらに重要なのは、(プロジェクトに取り組む際に)テクノロジーサービス、事業部門、チャネルを含む組織全体で連携する方法を理解する必要があるということです」

たとえば、モバイルアプリで新規のパーソナライズしたオファーを作成し、その利用状況を追跡するとします。 その際には、アプリチームやマーケティングチーム、データチームによるサポートが必要になることもあるでしょう。 ストイヤー氏は次のように述べています。「また、クラウド機能を構築するテクノロジーチームも別に作ることになるでしょう。顧客体験チームも設置されるとしたら、これらすべてを統合する必要があります」 

マーケティングリーダーは、このような組織的な取り組みの計画、調整、監視、管理を行うのに適した立場にいるとヴァキル氏はいいます。 マーケティングリーダーは、重要なプロジェクトの成否に最終的な責任を持つプロジェクトマネージャーの役割も兼ねています。 

「クリティカルシンキングと、他者との対話というソフトスキルが重要なのです」と同氏は説明します。

プロセス、テクノロジー、データへの注力

その他の重要な能力は、コラボレーションスキルと同様に不可欠なものです。 これには、基本的なビジネスプロセスに対する十分な理解も含まれます。 アイデアから実用化まで、エンドツーエンドの顧客体験プロセスを定義し管理できる人材は貴重であるとストイヤー氏はいいます。 「自動化する前に、そのプロセスを理解する必要があるのです」 

また、データリテラシーとテクノロジーに関する知識も重要です。 ストイヤー氏は次のように述べています。「マーケティングというと、大抵の人はクリエイティブな面を思い浮かべ、今でもそれは間違いなく必須です。 しかし、データを詳細に調査し、重要な業績評価指標を追跡し、目標や重要な結果に結びつけることができる分析力のある人材も必要です」 

このことは、マーケティング担当者がコードの書き方を理解すべきだということを意味しているのではありません(もっとも、理解しても損はありませんが)。 プロセスを定義すると、ローコードアプリケーション開発プラットフォームなどのソフトウェアが、テクノロジーソリューションの開発を促進します。 これにより、マーケティング担当者はプログラミングの専門知識がなくても力を発揮できるようになります。 同様に、データリテラシーには必ずしもデータサイエンスの学位が求められるわけではありません。 マーケティング担当者は、データや統計を理解しながら分析力を身につけていくことができますが、データアーキテクトを兼任する必要はないのです。 
 

価値の理解

こうしたデータ志向のマーケティング担当者は、マーケティング業務の重要な課題の一つである「価値の数値化」への対応に貢献することになります。 マーケティング担当者は、キャンペーンの価値を定義する必要に迫られるようになるとストイヤー氏はいいます。 「キャンペーンやオファー、施策の効果を数値化する方法を理解し、バックエンドで価値を測定できるようにする必要があるのです」 

このような価値重視型のマーケティングに対応するうえでチームに必要なスキルの一つが「テスト」です。 経験豊富なマーケティング担当者は、A/Bテスト、チャンピオン・チャレンジャーテスト、最適化を頻繁に行い、顧客体験の向上に役立てているとストイヤー氏はいいます。 「そのため、体験のテストや微調整を行い、アジャイルなフレームワークで作業できることが非常に重要になるのです」 

このような価値重視型のマーケティングに対応するうえでチームに必要なスキルの一つが「テスト」です。 経験豊富なマーケティング担当者は、A/Bテスト、チャンピオン・チャレンジャーテスト、最適化を頻繁に行い、顧客体験の向上に役立てています。

説明責任を果たすため、中には価値専門の部門を設けているマーケティング部門もあります。 ヴァキル氏は、こうした部門は、各顧客体験が価値を生み出しているかどうかや、その価値を高める方法をチームが理解できるようにする常時最適化システムであると述べています。 

また、さらに一歩進んで、マーケティング部門にとどまらないリーダーシップを発揮している企業もあります。 これには、現在戦略的な役割を担っているエグゼクティブや、事業部門を統括しているエグゼクティブを対象とすることも含まれます。 

「最近、コマース担当者がCMOに就くケースが非常に増えています」とヴァキル氏はいいます。 CMOの職務にデータを活用する傾向が高まっているため、成功例が増えているのです。 これからは、戦略に基づいて行動するよう周囲を促すだけでは不十分です。 現在、ROIなどの指標が重要になっています。 
 

新たなスキルの模索

マーケティング担当者に求められるスキルの幅が広がる中で、ストイヤー氏は、新卒者を募集する事業主に、マーケティング専攻者を中心とした従来の人材プール以外にも目を向けるよう勧めています。 たとえば、科学・技術・工学・数学(STEM)のスキルに加えて、クリエイティブな才能を発揮できる人材を採用対象にすることを推奨しています。 

既存の従業員については、常に最新のスキルを身につけておくために最も役立つ努力は、データの処理方法や分析方法を習得することです。 ローコードシステムなどの新しいテクノロジーに習熟する必要があります。 

「学ぶ意欲があり、基本的なクリティカルシンキング力さえ身についていれば、与えられた時間内に習得できるはずです」とヴァキル氏はいいます。 「一般的には8か月から1年程度です」 

未来のマーケティング部門エグゼクティブは、変化に備える必要があります。 デジタルファーストの企業は、機会を逃さず新しいテクノロジーを理解し、データに基づいた意思決定を重視する優秀なチームを構築できているため、この点では先行しているといえるでしょう。 最新化を進めている従来型の企業は、遅れを取り戻すことができる可能性があります。 いずれにせよ、こうした新しいスキルの習得に時間と労力を注ぐマーケティング担当者は、将来に向けて有利な立場を確保できると考えられます。 
 

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