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Clay Richardson
クレイ・リチャードソン(Clay Richardson)
CEO兼チーフエクセラレーター
デジタルファストフォワード
5分で読めます

改善の方法:2022年にリーダーが考えていること



先日、今のビジネス環境では珍しくなっていますが、対面でランチをする機会がありました。

ステーキハウスを提案していたのですが、現実的に考えてロサンゼルスのチェーンレストランにしました。ある中堅地方銀行のCIOの女性とお会いし、 この半年間の活動を振り返って、2022年に向けた取り組みについて話し合いました。 多くのITリーダーと同じく、パンデミックの発生によって、組織内での彼女の役割や部署の立ち位置が変わっていました。

新型コロナウイルスにより、デジタルイノベーションが加速して需要が急増したため、CEOは彼女を 単なるテクノロジースタックを選定する役員ではなく、変化の推進役、そしてビジネスパートナーとして見るようになりました。 彼女の部門は、新しいテクノロジーを選定して導入するだけでなく、主な変革プロジェクトの中心として行動するようになりました。

ただ、不安もありました。 最近会った他のテクノロジーリーダーと同様、この銀行のCIOもまた、二次元の画面の世界に慣れてしまっていたのです。 一方で、明日のITリーダーがスキルを磨く必要があるのは三次元の世界、つまりランチミーティングや戦略会議のような対面の環境です。

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「最近会った他のテクノロジーリーダーと同様、この銀行のCIOもまた、二次元の画面の世界に慣れてしまっていたのです」


この考え方はPegaのFuture of IT(ITの未来)調査レポートでも裏付けられており、経営幹部の役割が変わってきていることが示されています。 リーダーシップ、感情的・社会的知性、問題解決能力などのソフトスキルは、ビジネスイノベーションを推進する上で不可欠なものとなるでしょう。 今回の調査では、シニアバイスプレジデント(上級副社長)クラスの回答者は、今後リーダーシップスキルの重要性が増し、現在の29%から43%になると予想しています。 ディレクター(取締役)クラスの回答者は、28%から34%に増加すると予想しています。 また、シニアディレクター(上級取締役)クラスでも、問題解決能力が現在非常に重要と回答した人が30%で、将来非常に重要になると回答した人は42%でした。

Future of IT Snapshot JA

リーダーシップスキル、問題解決能力、感情的および社会的スキルの主なコンピテンシーは、2年後にはITプロフェッショナルにとって非常に重要なものとなるでしょう。 (出典:「ITの未来」調査レポート、2021年)

これらのスキルの多くは、現実社会のほうが高めやすいといえます。 しかし、リモートワークでも、最近増えているハイブリッド型の通勤スタイルでも、成功するために必要なリーダーシップとチェンジマネジメントのスキルを構築および向上させるために、すぐにでも検討できる戦略があります。 技術系の方々には言いづらいのですが、重要なのは新しいテクノロジーではありません。 重要なのは自分やチームのソフトスキルを向上させるためのプレイブックを作ることです。

ここでは、しばしば誤解されがちな、リーダーとして必要な3つのソフトスキルを取り上げます。

「共感」

この言葉が組織のあらゆる問題を解決する万能薬のように語られているのを耳にしたことがあるかもしれません。 しかし、相手の悩みや目標を真に理解しない「共感」には意味がありません。 ルイジアナのブルークロス・ブルーシールド協会の顧客体験責任者のシェーン・ブレイ氏(Shane Bray)は、社内の関係者や顧客を深く理解するようにチームに働きかけています。 それには、外に出て顧客と直接話し、どんな問題や希望を持っているかを知る必要があります。 シェーンは、米国空軍を退役した元衛生兵で、自身が非常に共感力の高い人物です。彼は「好奇心こそが共感を生み、問題への理解を深めます。 好奇心があれば、問題を解決する方法を真剣に考えることができます」と語っています。

「好奇心が共感を生み、問題への理解を深めます。 好奇心があれば、問題を解決する方法を真剣に考えることができます」


今年の夏、シェーンのチームは、テクノロジー、ビジネス、顧客体験のリーダー30人からなるハイブリッドチームで、ソリューションデザインスプリントを行いました。 ソリューションデザインスプリントは、3日間という短い期間で行われました。 健康保険被保険者のエクスペリエンスを変革し、医療費の請求問題をすばやく解決することについて、デザイン思考によってチームの共感と理解を深めることができました。 スプリント期間中、シェーンは、顧客観察の段階で、少なくとも1人の外部顧客に話を聞くようチームに促しました。 何度かインタビューを行ううちに、どのようなソリューションが最も効果的であるかについて、彼らの認識は一変しました。

「顧客のインタビューで得られた知識をもとに、保険金請求が却下されたときの被保険者の不満を解消し、場合によっては保険金請求が却下されるのを防ぐ新たなアイデアを考え出すことができました」とシェーンは述べています。

シェーンをはじめとする多くの人々の経験から、顧客と話すことで理解が深まり、特定の問題や課題への取り組み方が根本的に変わることが明らかになっています。 現在、このようなデザイン思考やカスタマージャーニーマップのスキルは、イノベーションを推進する上で必要不可欠な要素です。 ただし、感情を読み取る能力や好奇心がなければ、これらのテクニックは効果を十分に発揮できません。

「影響力」

私が提供しているイノベーション・リーダーシップ・コーチング・プログラムで、テクノロジーリーダーたちは、「影響力を高めること」が最大の課題であると述べています。 彼らは戦略的意思決定やデジタルトランスフォーメーションの優先事項に影響を与えることができるようになりたいと考えています。 これを実現するには、どうしたらいいのでしょうか。

ある大手メーカーでプログラムマネジメント部門を取り仕切るテクノロジーリーダーに、経営者たちへの影響力を高められない理由を尋ねてみました。 彼は「イノベーションの推進という点で私たちの部門は信頼されていません。経営者たちは、私たちがビジネス上の優先事項を十分に理解していないため、イノベーションが遅れてしまうと考えているのです」と答えました。 影響力を高める前に、先に信頼を高める必要があったのです。

なぜなら、影響力とは操作や駆け引きのことではないからです。 それは、人のために尽くすということです。 あるテクノロジーリーダーの女性は、個人のミッションステートメントに重点を置き、自分の影響力を高めたと語っています。 彼女にとって、それは「初めて住宅を購入する家族のために、コスト削減のための新しいイノベーションを提供する」というものでした。信頼を築きたいと考えるなら、デビッド・ホーサーガー氏(David Horsager)の著書『The Trust Edge』に良いヒントがあります。同書では、個人の一貫性、思いやり、性格、能力、コミットメントに焦点が当てられています。

「仲介」

仲介(ファシリテーション)は、教育とは異なり、さまざまな関係者に協力を仰ぎ、組織化し、サポートすることを意味します。 シェーンは「他のリーダーには、会議で黙るタイミングと、発言するタイミングを学ぶようにアドバイスしている」と言います。

つまり、テクノロジーのリーダーおよびビジネスのリーダーは、グループや1対1の場面で会話の仲立ちをするファシリテーターにならなければならないということです。 遠隔ファシリテーションツールは便利とはいえ、実際の仲介スキルの代わりにはならないことを覚えておいてください。 バーチャルデジタルホワイトボードを利用できるようなソフトウェアは便利ですが、リモートの参加者が共同作業にうまく入れないというようなことも起こります。 最も重要な仲介ツールは、あなた自身です。 あなたのエネルギーは、会話に活気を与え、大きな決断を下す際の合意形成に役立ちます。

「仲介者として能力を向上させる最も重要なステップは、人間関係の構築に先行投資することである」という、ソフトスキルに関するシェーンの最後のアドバイスは痛烈でした。 たとえそれが、好みでないレストランでの短いランチであっても、対面の関係を通じて人間関係を構築するための時間を取ることは、変化を促進したり合意を形成したりする際に不可欠な視点を得るのに役立ちます。 いわば自分自身のOSをアップグレードするための投資は、単に新しいコースを受講したり、ソフトスキルのトレーニングプログラムを受講したりすることだけではありません。 その代わりに、イノベーションのための体質改善が必要です。 それは、テクノロジーリーダーとしてのキャリアで直面する大きな転換点の一つになります。

クレイの話をもっと知りたいですか。

イノベーションとテクノロジーに人間中心のアプローチをとることについての彼の研究は、Designing the future of work(未来の働き方をデザインする:英語版)に掲載されています。

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