

2018年12月10日、欧州女子ツアーで6勝を上げているプロゴルファーのメル・リード氏が、Twitterのフォロワーに向けてある告白をしました。それ以来同氏の発言は、さまざまな壁に直面するLGBTQIA+コミュニティから、当事者ならではの声として大きな注目と賞賛を集めるようになりました。
カミングアウトしたその日から、リード氏はプロゴルフ界の平等を求める闘いの先頭に立ちました。それ以来、男子選手の方がスポンサー報酬もメディアからの注目度も高い、男性優位の現場で闘い続けています。 差別はプロの世界にとどまりません。「コースによっては、たとえトッププロであっても女性を歓迎しない雰囲気があります。これでは一般の女性に希望はあるでしょうか」とリード氏は指摘します。 本稿では、ゴルフ界の諸問題、自分らしい選択のしかた、そしてゴルフ界とその観客の理想的な未来像について、リード氏にお話を伺いました。
以下は、リード氏のリーダーシップに対する考え方です。
私が最も力を入れているのは、女子プロゴルフの賞金の増額と知名度アップです。 女子選手は、男子と同じ仕事をして、 男子と同様の犠牲を払っています。 でも、賞金は10分の1です。 残念ながら、ゴルフだけでなく、多くのスポーツでも女性の扱いは同じです。 優れたアスリートは、もっと敬意を払われていいはずです。 チャンスは平等にあるべきです。

「女子選手は、男子と同じ仕事をして、 男子と同様の犠牲を払っています。 でも、賞金は10分の1です」
子供の頃、 ゴルフショップに掲示されているブランド広告には、アダム・スコット、タイガー・ウッズ、アーニー・エルスなど、男性ばかりが目につきました。 女性は1人もなし。 マーケティングや広告、ソーシャルメディアでは、女性に訴えかけることで、より大きな商機が得られます。 それこそが、平等への第一歩になります。 もしそうした広告が出回れば、みんなの目に留まり、関心が広がるはずです。
カミングアウトした理由ですが、 キャリアを積む中で、ある時ふと思ったのです。「私、 どうしてこのことを隠しているのだろう? 私は私。心から自分を誇りに思う。他の人だって同じ。自分を誇りに思うべきだ」って。 自分らしくいられることは、私にとってとても大切なこと。 だから自分のことを周りの人に知ってもらいたいと思ったのです。特にスポンサー企業には。 自分らしさを前面に出すことを誇らしいと思ってくれるスポンサーと仕事をするのは、私にとって大事なことでした。 世界に自分という存在は1人だけ。いつも最高の自分でありたい、自分であることに誇りを持ちたいのです。

「キャリアを積む中で、ある時ふと思ったのです。『私、 どうしてこのことを隠しているのだろう? 私は私。心から自分を誇りに思う』って」
他の人に伝えたいのは、自然体でいてほしいということです。 私はシャイな新人選手でした。 それでも良いメンターに恵まれ、のびのびと過ごすことができました。 先輩として同じようにするのが、自分の役割だと思っています。 居心地が悪そうな人を見かけたら、気づかって、安心させてあげようと思うのです。 そういう性格も、誇りに思っています。 2、3人の選手に少しの改善でももたらすことができれば、役割は果たせたといえます。 ゴルフ界を誰もが歓迎される場所にするべきです。私はこれからもそのために闘い続けます。