ケーススタディ
INGがPega Client Lifecycle Managementを活用してグローバルなKYCプロセスを実現
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ただ1つのスタンダードとして、38か国共通のグローバルな本人確認プラットフォームを構築
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ストレートスルー処理において、91.5%が完全に自動化されたケースで完了
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2,400人の内部INGユーザーと3,800万人の顧客をサポート
「私たちはINGのKYCプロセスを統一しました。1つの一貫したプロセスにし、すべての国、すべてのセグメントで再利用できるようになりました。グローバルスタンダードを確立することができました」
ビジネス上の課題
INGは、大規模なリテールから複雑なホールセールバンキングまで、さまざまなセグメントにわたる3,800万人以上の顧客にサービスを提供しています。INGの目標は、日常生活でも仕事でも人々が一歩先を行けるよう支援することであり、優れたカスタマーエクスペリエンスの提供と持続可能なビジネスの実践に全力を傾けています。
INGは38か国で事業を展開しているため、本人確認(KYC)プロセスは同社にとって、顧客を知り、リスクを評価し、マネーロンダリングといった金融犯罪ならびにテロや人身売買などの違法な資金調達活動を防ぐために極めて重要なものになっています。
しかしながら、同行は地域、顧客、業務ラインごとに断片化されていました。組織全体で顧客のリスクを把握できる一貫したビューがなかったため、コンプライアンス違反や法的罰則につながっていました。このような問題に対処するために、INGは、グローバルで唯一のスタンダードとなるオンボーディングとKYCのプロセスの確立を目的としたKYC変革プログラムを開始しました。
ソリューション
INGは、Pegaを活用して、オンボーディング、定期的レビューとイベントごとのレビュー、オフボーディングの全体で、関連するすべてのKYCプロセスをオーケストレーションできる1つのグローバルプラットフォームを導入しました。INGはPegaのCLM-KYCのアプリケーションとワークフロー機能(これらはすでに組織内で標準的に使用されていました)を活用することで、KYCプロセス用の統合ワークフローアプリケーションを構築しました。Pegaの強固な追跡機能が規制要件に対応し、KYCライフサイクル内でのアクティビティを包括的に追跡できるようになりました。一方でPega CLMは、FATCA(外国口座税務コンプライアンス法)やCRS(共通報告基準)などの規制に対応する標準的なポリシーを提供し、ポリシー導入に要する手間を最小限に抑えました。
2,000人以上の従業員がKYC専任で対応する中で、INGは、そのソリューションを3年間という厳密なタイムラインの中で提供して規制要件に対応する必要がありました。同行は10の構築スクワッドを複数国に分散して配置し、プロジェクトサポートチームと連携してソリューションを導入し、同時にローカルのツールを廃止しました。
INGの初期のMLPは、2つの国の2つの顧客セグメントで6か月間使用されました。現在、そのグローバルプラットフォームには38か国のすべてのセグメントの3,800万人の顧客が含まれています。同行は堅牢で質の高いフレームワークに投資し、そのアプリケーションが、包括的なテストフレームワークや自動テスト、パフォーマンステスト、リリース管理などを含め、高い基準を維持できるようにしました。
結果
地域限定のソリューションから統一されたグローバルなアプローチへと移行することで、INGは、グローバルな1つの基準に基づく、調和と一貫性のあるKYCプロセスを実現させました。INGはプログラムの導入を成功させ、オンボーディング時間の短縮、業務の簡素化、リスク管理の向上を達成しました。これらすべてを支えたのは、アジャイルな手法とバランスのとれたチーム構成、そして経営幹部レベルの強力な支持でした。
結果の概要:
- 四半期あたり100万件が処理され、2023年度末までには四半期あたり200万件まで増加する見込み
- 270万人の顧客がすでにレビューされ、2023年度末までには合計700万人がレビューされる予定
- ストレートスルー処理において、91.5%が完全に自動化されたケースで完了
- 2,400人の内部INGユーザーと3,800万人の顧客をサポート