Booking.com、何百万人もの旅行者を記憶に残る体験にシームレスに結びつけます
コネクテッドサービスにより、旅行の不便さを排除
ビジネス上の課題
Booking.comは、世界最大級のデジタル旅行会社です。宿泊施設、フライト、レンタカー、アクティビティの予約など、さまざまなサービスを世界中の何百万人もの旅行者に提供しています。同社は、「旅行における不便さを取り除く」テクノロジーへの投資に取り組んでいます。
これまでBooking.comは、自社製品の社内での構築やカスタマーサービスなどの機能向上に重点を置いてきました。やがて、これらのシステムは、エージェントデスクトップやチャットなどの機能を含むまでに成長しました。しかし、製品やサービスポートフォリオが拡大し多様化するにつれ、こうした自社開発のシステムを維持しながら、スピード感をもって進化することが困難になっていきました。
そのような状況を踏まえ、自社の強みに重点を置き、差別化が問題とならない機能をアウトソーシングすることを決断しました。そこで同社は、Pega Cloud®上でPega Customer Service™を使用してカスタマーサポートを変革するためにPegaを選択しました。この移行では、エージェントデスクトップを中心に据え、すべての顧客プロセスで統合されたナレッジマネジメントとBPMワークフローを実現しました。これによりエージェントは、シームレスなサポートを可能にする直感的な統合プラットフォームを介して、容易に顧客とパートナーのサポートを行えるようになりました。
しかし、運用の規模が大きすぎたために、ソリューションを実装する中で次のような課題が浮き彫りになりました。
- レガシーの制約:Booking.comのレガシーCRMは、時代遅れの画一的なアーキテクチャで構築されており、競争力のある成長を維持するために必要なサービスの拡充や迅速な拡張に対応できませんでした。市場の新しい需要に対応しながら、社内の目標に合わせてシステムを適応させようとすると、コストと時間がかかり、技術的にも困難になります。
- システムの複雑さ:Booking.comがレガシーCRMからPegaへとカスタマーサービス機能を移行し始めると、エージェントは両方のシステムでケースを処理しなければならないという二重の複雑さに直面しました。エージェントが2つのシステムを行き来し、手作業でケース履歴を同期していたため、この分断された環境は生産性の低下を招き、カスタマーサポートの品質にも支障をきたしました。
- 多様な顧客ニーズと大量のサービス処理:Booking.comのカスタマーベースには、世界中の旅行者とサプライヤーが含まれています。これらのグループのさまざまなニーズをサポートするには、高い適応性、45言語での24時間365日のサポート、およびグローバルユーザーベースからカスタマーサービスに寄せられるさまざまな問い合わせの効率的な管理ができる統合プラットフォームが必要でした。
ソリューション
これらの課題に取り組むため、Booking.comは、Pega Cloud®にPega Customer Service™を導入しました。この移行では、拡張性、柔軟性、シームレスな統合を重視したカスタマイズされた戦略に基づき、エージェントデスクトップを中心に据え、すべての顧客プロセスで統合されたナレッジマネジメントとBPMワークフローを実現しました。
同社の目標は、シームレスなサポートを可能にする直感的な統合プラットフォームを介して、エージェントが容易に顧客とパートナーにサポートを提供できるようにすることでした。さらに、Pegaのすぐに使える機能により、顧客行動の変化に直面してもアジャイルに対応し続けることが可能になりました。
- 戦略的なプラットフォームの選択:Booking.comは、カスタム構築されたCRMから移行する際に、複雑で大規模なカスタマーサービスのニーズに対応できる実績のあるPegaを選択しました。Pegaのモジュラー型で拡張可能なアーキテクチャを活用することで、レガシーシステムからの移行に成功しました。同時に、旅行関連のすべての予約とサポートで単一のアクセスポイントを優先するという、同社のより広範囲でコネクテッドな旅行ビジョンに合致させることができました。
- リフトアンドシフトアプローチ:Booking.comは、全面的な見直しではなく、実用的なリフトアンドシフト戦略を選択しました。このアプローチでは、既存のUXとワークフローを可能な限り維持しながら、重要なプロセスをPegaに移行する必要がありました。同社は、影響の大きい分野に設計変更の範囲を限定することで、業務の中断を減らし、6か月以内に変更を実施ししました。その結果、エージェントのトレーニング要件を最小限に抑えながら迅速な移行を実現しました。
- 部門横断的ガバナンス:Booking.comは、社内の多数の関係者間で認識の共有を図る際の課題を考慮し、製品、UX、テスト、カスタマーサポートの各機能を統合した部門横断的なユニットにチームを再編しました。この調整により、エンドツーエンドの所有権を促進し、ボトルネックを減らし、意思決定を効率化することができました。さらに、初期段階でガバナンスチームが関与したことで、当初からアーキテクチャ標準とコンプライアンスの遵守が確保され、スケーラビリティと長期的なプラットフォームのパフォーマンスが強化されました。
結果
Pegaの変革により、Booking.comは業務効率が大幅に向上し、将来のイノベーションのための強固な基盤を確立することができました。
- エージェントの満足度向上:リフトアンドシフトのアプローチにより、10,000人ものエージェントの手間が大幅に軽減されました。エージェントは、統合されたインターフェイス内ですべての顧客対応ができるようになりました。カスタマーサポートチームでは、複数のシステム間を移動する必要がなくなったため、解決までの時間を短縮し、生産性を高め、顧客対応全体の品質を高めることができました。
- スケーラブルでコネクテッドな旅行体験:Pega Customer Service™を利用したBooking.comは、宿泊施設、フライト、レンタル、アクティビティが単一のインターフェイスにシームレスに統合された、統一感のあるつながった体験を提供できるようになりました。顧客は、1つの接点で、ジャーニーのあらゆる側面に対応できます。これは、年間数百万人の旅行者にサービスを提供するうえで重要な利点です。
- アジリティの向上:Booking.comでは、新しいAI機能をより効果的に活用できる土台が整っています。拡張性の高い新しいプラットフォームを導入した同社は、予測インサイト、パーソナライズされた旅行の提案、顧客インタラクションの強化を可能にする生成AI機能を統合することを計画しています。同社は、AIを活用したカスタマーサポートを組み込んだ次世代アプリケーションにすでに取り組んでおり、自律的でプロアクティブなカスタマーサービスモデルの構築に向けて、大きな飛躍を遂げています。
PegaWorldセッションでBooking.comのジャーニーの全貌をご覧ください。
素晴らしい体験を大規模に提供します。
「当時抱えていたすべてのニーズを満たしながらも、一緒に成長できるプラットフォームを見つけられるかどうかが重要でした。Pegaは、その目的だけでなく、統合と簡素化を進めながら、つながりのあるサービスを提供するという当社の事業目標の達成にも役立つと確信しています」。