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The future of marketing is always-on
Tara DeZao
タラ・デザオ(Tara DeZao)
Director, Product Marketing - MarTech & AdTech
Pegasystems製品マーケティング・MarTechおよびAdTech担当ディレクター
5分で読めます

マーケティングの未来は常時オン

キャンペーンだけでは、未来のマーケティングニーズは満たせません。 顧客中心の体験を提供するために、考え方、メッセージ、指標を変える必要があります。
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マーケティングやカスタマーエンゲージメントの専門家は、長年にわたって消費者の期待、規制、市況の変化に対処してきました。 マーケティング・広告テクノロジー(MADTech)のイノベーションによって、データの活用が進み、顧客とのインタラクションの適切性が高まることが期待されましたが、実現には至っていません。

また、martechmap.comのレポート「State of Martech 2022」によれば、2011年に市場に流通していたマーケティングテクノロジーソリューションはわずか150件でしたが、 現在では9,932件ものソリューションが存在します。

しかし、これだけ選択肢があっても、マーケティング担当者の仕事の質の向上にはつながっていません。 それどころか、ツールをまったく使いこなせずに悪戦苦闘しています。 2020年にガートナーが実施した調査では、マーケティングリーダーがマーケティングスタックを58%しか使用しておらず、テクノロジー投資のほぼ半分を浪費していることが明らかになりました。

こうした複雑なツールは、データを活用したマーケティングの基礎を身につけるうえで役立ってはいません。 いまだに適度なパーソナライゼーションを行えるようにはなっていないのです。 消費者がウェブ上を移動する際や、デジタルとオフラインなどさまざまなチャネルを横断する際に、消費者の置かれた状況を完全に把握できるわけではありません。 多くの場合、適切なメッセージの頻度も理解できておらず、いまだにコミュニケーションが多すぎて顧客の苛立ちを招いています。

...マーケティングリーダーがマーケティングスタックを58%しか使用しておらず、テクノロジー投資のほぼ半分を浪費していることが明らかになりました。

消費者は不満に思っている

こうした失策が重なると、消費者のエンゲージメントは以前よりも低下します。 マーケティングソフトウェア企業のMerkleは、前年度にオンラインで購入を行った1,000人以上の消費者を対象に調査を実施し、消費者センチメントレポートを作成しました。 回答者の2/3が、現在のマーケティングや広告がニーズに合っていないと回答しました。 また、回答者の半数は、企業や組織が個人情報を知りすぎており、侵害されていると感じると回答しています。 さらには、回答者の30%が、的外れや不快に感じるブランドコミュニケーションに接したことがあると回答しています。 

こうした基本的なマーケティングに苦慮している企業は、規制の変化やテクノロジーの変化による別のプレッシャーにも直面しています。

規制面では、EUのデジタル市場法(DMA)は、企業と消費者をつなぐデジタルプラットフォームを規制対象とする予定です。 たとえばFacebookとInstagramのように、同じ会社が所有する複数の資産であっても、収集した情報を組み合わせるには、プラットフォームに対する個人の許可が必要になるようです。 このことだけでも、マーケティング担当者にとっては新たな課題になります。

DMAは、来年には施行される見通しです。 また、その後の2024年には、GoogleがChromeブラウザーのサードパーティcookieを廃止する予定です。 これらは、デバイスIDとともに、広告主やマーケティング担当者が消費者のタッチポイントを結びつけ、統一された一貫性のあるメッセージと顧客体験を実現するために利用している主なツールです。

以上はいずれも、マーケティング担当者にとって悲観するほどのことではないかもしれませんが、適応力が強く求められるようになります。

業界はこうした問題を克服するソリューションを開発していますが、DMAによって、特に不透明なデータ共有に依存するソリューションの一部は実効性を失うことになります。 この事態を見越して、一部の広告主は人工知能(AI)などのテクノロジーに投資することで戦略を多角化しています。 こうした戦略により、自社の情報と消費者から任意に収集したデータの組み合わせが可能になります。 しかし、消費者の多くはオプトインしません。

以上はいずれも、マーケティング担当者にとって悲観するほどのことではないかもしれませんが、適応力が強く求められるようになります。 MADTechツールをアップデートし、エンゲージメント戦略を転換し、より強固な関係を構築するデータとテクノロジーを活用する必要があります。 これまでのソリューションでは、顧客離れが進むばかりでした。

キャンペーン型マーケティングから常時オン型マーケティングへの移行

現在の顧客は、企業や組織を総合的な体験で判断しています。 デジタルファーストの環境に移行するにつれ、顧客は一貫性のある、コンテキスチャルでパーソナライズされた体験を求めています。 顧客は、企業に一人ひとり個別に対応してもらいたいと考えています。 これは特に、1日に何百通ものメッセージを受け取る顧客の場合には、難しい課題です。 

この課題に対処するには、受け入れにくい変化を実行する必要があります。 企業が長期的なブランドロイヤルティを追求するには、キャンペーン型マーケティングから常時接続型マーケティングに移行する必要があります。

従来のマーケティングテクノロジーはキャンペーン管理のフレームワークに依存しています。 共通の属性を持つ顧客グループに対する製品やサービスの販売を重視しており、 分断されたチャネルやポイントソリューションを利用しています。 定型のメッセージでは、顧客の行動様式の変化に対応できません。 

販売は、企業が顧客との接点の一つに過ぎません。 リテンション、サービス、育成、レジリエンスなど、他にも顧客と接する機会があります。 他の接点にも拡張するということは、従来のクリエイティブ戦略の範囲を超える必要があるということです。 企業は、顧客や見込み客のニーズに応じて、場面に合わせたメッセージで会話ライブラリーを構築する必要があります。 

セグメント、バッチ、キャンペーンを使用するテクノロジーでは、こうした複雑な会話を処理することはできません。 また、複数のチャネルやタッチポイントで、膨大な商品セットを持つ数百万人の顧客に拡大することもできません。 こうした企業では、次の3つの点で問題が生じています。

メッセージが顧客中心の内容になっていない。

キャンペーンに特化したスタックは、顧客が今必要としているものではなく、企業側が売りたいものをベースにしています。 これでは、変化する顧客の状況に対応できず、顧客が興味を持っていなければ、会話は進みません。 これがデジタルエンゲージメントにおける応答率の低さにつながっているのです。

キャンペーンのアプローチがサイロ化している。

キャンペーン管理スタックは、マーケティングに対する統一的なアプローチの妨げになります。 ポイントソリューションが分断されたまま混在しているため、データの共有や拡張ができません。 このため、各チームは連携せずに、それぞれの業務、製品、KPIを気にしながら運営されています。 また、データセットもそれぞれ独自のものです。 以上のすべてが、顧客体験を断片化しています。

成果がインパクトに欠ける。

マーケティング活動を成果に結びつけられていない状況では、マーケティングが有効に機能しているかどうかはわかりません。 複雑なMADTechスタックを利用すると、不透明なデータを収集して分析し、過去にさかのぼって成果に結びつけざるを得ません。 これは時間がかかる手作業のため、データは陳腐化します。 キャンペーンが終了した後に成果が出ても、キャンペーン中にアプローチを最適化することはできません。

企業が長期的なブランドロイヤルティを追求するには、キャンペーン型マーケティングから常時接続型マーケティングに移行する必要があります。

データソースの統合による、全チャネルにおけるメッセージの活用

サードパーティcookieの廃止が迫る中、企業はできるだけ多くのファーストパーティデータを利用しなければなりません。 ファーストパーティデータは、それほど希少なものではありません。 その多くは山積みになるほど存在しています。 問題は、こうしたデータがマーケティング部門以外に存在しており、つなぎ合わせるソリューションが存在しないことです。

この問題の解決に求められるのは、統合された環境、つまり データとテクノロジーの適切な組み合わせが求められる環境です。 企業は、AIを中核に据えたソリューションから最も恩恵を受けます。 こうしたソリューションにより、マーケティングやカスタマーエンゲージメントプログラム用の異種データの集計と一元化が可能になります。

データの流れを一元化することで、チャネルごとの予算編成やプランニングが不要になります。 また、データ信号からは、消費者に接触すべき場面やタイミングがわかります。 AIは、あらゆるチャネルにおける顧客との対話において、コールセンターのスタッフや営業担当者などの現場で働く従業員をサポートします。当て推量で会話をしなくても済むようになるのです。

数値化に対する意識の転換

マーケティング担当者は、重要な事項を数値化することで、プログラムが有効に機能していると実証する必要があります。 クリック率やページビューといったKPIだけでは不十分です。 クリックしただけでは、満足度や売上にはつながらないからです。 

代わりに、マーケティングプログラムや顧客関係の健全性、戦略の持続性を把握できる指標が必要です。 たとえば、顧客生涯価値、ROAS(広告費用対効果)、顧客リテンション率、ネットプロモータースコアなどのKPIです。 こうした情報によって、顧客関係に対する理解を深めるとともに、アプローチを変えるべきタイミングと変え方がわかります。 また、長期的な収益予測を行い、適切な予算編成に役立てることができます。 カスタマーエンゲージメント戦略が有効に機能しているかどうかも把握できます。 

短期的な売上促進は重要ですが、2022年の事業の中心に据えるべきではありません。 『マーケティングの未来』レポートで指摘されたとおり、

アンケート回答者のうち最大の割合を占める35%が、今後3~5年間に、顧客生涯価値は指標としての重要性が高まると回答しています。 クリックスルー率に対して同様の回答をした回答者はわずか5%にとどまりました。

『マーケティングの未来』レポートは、マーケティング担当者による今後5年間の動向の予測をまとめたものですが、マーケティングの未来はすでに到来しています。 顧客、見込み客、アナリスト、規制当局の発言から、未来像は明らかになっています。 マーケティングプログラムを「常時オン」モデルに切り替えなければ、過去から脱却することはできないのです。

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